答:監査役に提案する必要はありませんが、何らかの形で提案内容を知らせる必要があることから、実務上は取締役に対してと同様に監査役に対しても提案書を送っています。
解説
ある取締役が決議事項の提案を行う場合、書面決議の成立のためには取締役(ただし、議決に加わることができる者)の全員からその提案につき書面による同意を取得する必要がある(会社法370条)以上、取締役に対しては提案する必要があります。
一方、監査役からは書面による同意を取得する必要はないため、監査役に対して提案する必要はありません。
しかし、監査役には、提案について異議を述べることができる(会社法370条2つ目の括弧書き)ことから、その機会を確保するために、何らかの形で提案内容を知らせる必要があります。
そのため、実務上は取締役に対してと同様に監査役に対しても提案書を送ったうえで、その提案につき異議を述べない旨の確認書を取得しています。
なお、会計監査限定監査役(会社法389条1項参照)については、提案について異議を述べることができない(会社法370条2つ目の括弧書き、2条1項9号「監査役設置会社」の定義参照)ため、提案内容を知らせることや、提案書を送る必要はありません。