答:特別利害関係取締役にその決議事項の審議・採決に出席する権利はありませんが、他の取締役が同意すれば、審議・採決の際に退席する必要はありません。ただし、審議・採決に不当な影響を及ぼす恐れがある場合には退席させることが実務上は適切です。
解説
特別利害関係取締役は、特別利害関係ある決議事項にかかる取締役会決議の定足数・決議要件のいずれの分母からも除外され、その決議事項の審議・採決において議長になることもできません。
そして、特別利害関係取締役は、その決議事項の審議・採決に出席する権利や意見を述べる権利もないと考えられています。審議・採決に不当な影響を及ぼす恐れあるからです。
しかし、他の取締役全員が同意すれば、審議・採決の際に退席する必要はありません。また、意見を述べる権利はありませんが、他の取締役全員の許可を得て、意見を述べることもできます。利害関係ある者として、その決議事項について詳しく、有用な情報を提供できる場合もあるからです。
ただ、特別利害関係取締役が在席又は発言することで、他の取締役が萎縮したり、議論が支配される等して審議・採決に不当な影響を及ぼす恐れがある場合には退席させることが実務上は適切です。